SIMロックフリー論議について

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さて、ウィルコムは蚊帳の外ですが、総務省発端のSIMロックフリー論議が盛んなようです。

私個人としては、「結構そんなことどうでもよくない?」という意見で、なぜ「今」やる必要が有るのかもいまいち分かっていません。

iPhoneをドコモで使えるようになると言う話がありますが、SIMロックフリー版の端末をAppleが日本で出してくれるのかという別の問題が有ります。これはすでにソフトバンクとAppleとの間でそれを禁止する契約が交わされている恐れもあります。

SIMロックフリーの意味がやはりよくわからない

で、実際SIMロックをフリーにしてなんの意味があるのかという話なんです。それがいまいちわからない。そりゃ、全キャリアがLTEになったりとか、みんながEメールじゃなくてSMSを使っているとかなら良いんですが、そうではないわけです。

各キャリア間で端末機能に差があるというのなら格別、今どのキャリアの端末も似たような機能をだいたい備えていますし、わざわざ他キャリアの端末を使いたいというのもよく分かりません。番号移転はしやすいですが、メールアドレスとかは移転できないですし、その他公式サイトでの通信やコンテンツは使えないわけです。

これまでの垂直統合モデル・インセンティブモデルにも良い部分はたくさんあったように思うのですが、それをなし崩し的に否定して国際標準に合わせる意味が今のところわかりません。

完全にキャリアとメーカーを分断すれば、キャリアからの開発サポートが打ち切られるメーカーが出てくるかもしれないです。端末代金はソフトバンクが言うように高くなるでしょう。また、端末のサポートについてもキャリアではなくメーカーが行うことになりますが、サポートコストが高い日本でそれをこれからメーカーが行えるでしょうか。そのような事態になったとして、「SIMロックフリーだわ~い」と端末が売れるでしょうか。競争力が付くでしょうか。正直「?」です。

現状、SIMロックフリーの意味があるのは、海外に持って行って使う場合でしょうね。ローミング高い上に海外のコンビニでもUSIM買えるとのことですので、SIMロックフリーになったら便利かもしれません。HYBRID W-ZERO3もそこらへんを突いてきてました。

もっと大事な周波数

SIMロック論議よりも圧倒的かつ絶対的に重要な周波数論議のほうが問題です。これまで繰り返してきた愚をLTEでも繰り返さないようにすることのほうが重要です。ここらへんは、夏野さん(夏野剛 – Wikipedia)も繰り返し言ってます。

LTEについて、国際標準に合わせた周波数と帯域を確保した上で、SIMロックフリーでいこうとか、メールアドレスの移行を簡単にしようとか、コンテンツのフォーマットを統一しようとかいう話をすれば良いのではないでしょうか。
ただ、いずれにせよ通話とSMS以外の統一を図るのはステークホルダーも多く無理な気がしています。
それも、今後はスマートフォンが中心となって、いわゆるフルブラウズばかりになるから問題ないという方向にいくのでしょう。

しかし、外国と違い日本のユーザーは、フルブラウズに習熟したユーザーばかりではありません。PCが苦手な人も使える現状の通常端末におけるサービスがその点では優秀だと思うのです。

たしかに、iPhoneは非常に優秀な端末でだれにでも使える端末です。Androidもいずれそうなるかもしれません。日本のメーカーはAndroidに集約していくと思いますが、ではAndroidでスマートフォンを作り、かつ通常の携帯端末もAndroidにインターフェースをかぶせて作るのでしょうか。それはそれでリソースの無駄な気がします。そうなると、現状のプラットフォームとAndroidとでリソースの分割が行われ、結局メーカーは大変な気もします。

まとめ

そう考えていってしまうと、誰得なのかよく分からない議論でやはり個人的に、今やることについては「?」と言わざるを得ません。

逆に、得をするキャリア、損をするキャリア、全く関係ないキャリアというように、結果として平等なものを生まない政策を強制するのは、行政政策としてどうなんでしょうか、という考えもちょっとあります。

どちらかというと、官に強制して欲しいのは、メールサーバーアクセスの解放でしょうか。「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」についてのメール送受信をPOP3/SMTP、もしくはIMAPで出来るようにしてくれる方が、よっぽどユーザー利益になるような気がします。それができれば、SIMロックフリーも意味があるように思います。

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2 Responses to “SIMロックフリー論議について”

  1. DASEW Says:
    5月 5th, 2010 at 5:20 PM

    この論議については周波数問題という大きな国際的問題以前に、もっとユーザ卑近の問題として先決して欲しい箇所が論じられていないというか、こちらの方のつぶやきに賛同いたすところです。
    http://twitter.com/akoustam/status/12281658914
    http://twitter.com/akoustam/status/12282117613
    @akoustamさんのブログより↓
    http://itsa.blog.so-net.ne.jp/2010-04-16
    >しかしドコモにせよソフトバンクにせよ、ユーザーが最も利用したいであろう「速度7.2Mbpsでパケット上限金額5,985円」になるアクセスポイント情報は、ドコモやソフトバンクが自社のブランドで売る、自社端末にブラックボックス状態で入れ込んでおり、外部には一切公開されていません。

    >なので僕のXperia X10iとドコモのSO-01B、中身はほとんど同じものなのに、ドコモブランド品を買ったユーザーは5,985円で使えて、ソニエリブランド品を調達してきた僕は3倍近い13,650円で使うか、128Kbpsに落として使うしかないのです。

    ↑100%賛意でもありませんが、コメ欄も含め、キャリアの事情もあろうが、考えるべきこと多数あると感じます。

    とりあえずウィルコムに次いで影響が少ないau(cdma)がネットワークフリーをやらかしてくれたらなあと無茶を思っているのですがw

  2. amaranthine Says:
    5月 5th, 2010 at 6:47 PM

    コメントありがとうございます。

    私個人は、APフリーについてもあまり意味が無いのではないかと思っています。

    @akoustamさんのブログでは「理由は表向き、キャリアのコントロール下にない端末が入ってくるとどのような使われ方をするか分からず、そのユーザーが帯域を占有して他のユーザーに迷惑がかかるから、という「ユーザー保護」というのが大義名分になっているようですが、それは非常識な使い方をするユーザーの帯域制限を厳しくすれば、十分対策可能なはず」
    となっていますが、まさに料金によって「ユーザーの帯域制限を厳しく」するという「対策」をしているだけで、一応APは解放されているのでは?と思っています。

    海外のように、通信品質に寛容であればよいですが、一回つながらなかったとか、1時間つながらなかったとかいうだけで、ユーザーのひんしゅくを買い、総務省から警告をうけるおそれもある日本で、ネットワーク容量に多大な影響を与えるおそれもあるAPフリーをしろというのは、3Gキャリアには酷じゃないかなと思ったりします。

    ソフトバンクのSMSに関するロックも非常識かつ不便とは思いますが、まぁしょうがないかなと。ホワイトプランを抱えているのでSMSによる回線交換通信への負担は増やしたくないのが本音でしょう。批判すべきは、ネットワークロックではなく、通信設備投資に見合わない無茶な契約獲得だと思ったりします。

    キャリアに「ビジネスモデルを変えろ」という際に、「世界的に非常識だから」という理由が説得的だと思わないのですよね。少なくとも、その理由だと言うこと聞かない気がします(^^;

    個人的には、APフリー化によって増大する通信設備管理費を負担したくはありません。

    auがAPフリーをすると、CDMA2000版のNEXUS ONEが使えて面白そうですが、ISシリーズは間違いなく売れなくなる気がします(笑)

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