WillcomとPHSと携帯電話

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旧DDIポケット、ことWillcom(ウィルコム)とは、日本において、現状では唯一といってもいいPHSサービスの提供キャリアである。

PHSは、現状では、携帯電話に比べイメージも悪く、また、普及率も高くない。では、携帯電話サービスに比べ劣ったサービスなのかといえば、それは必ずしもそうではない。

なぜなら、PHSサービスは、携帯電話よりも圧倒的に通話品質が良く、また、低電磁波のために人体や医療機器への影響が少ないというような特徴があるからである。

では、なぜ日本では、携帯電話が圧倒的に普及し、裏でPHSが没落していったのか。

それは、携帯電話サービスとPHSサービスの基本的構造の違いにある。

簡略に言うと、一つのアンテナで作り出せる通話可能エリアが、携帯の方が圧倒的に広いということである。そのため、携帯とPHSが、よーいどんと一斉にエリア展開した黎明期において、より早くエリアの穴を埋めることができたのは、携帯電話であった。

結果として、携帯はつながるが、PHSはつながらないという場所が増え、そのようなイメージが浸透・定着する。さらに、PHSは、端末・料金の面で優位であったが、そこすらも子供の持ち物のように扱われるという事態を誘発するものになった。

だが、現在では、ウィルコムの人工カバー率は、携帯電話と同等で、さらにインフラとしての収容人数も定額プランの導入にかかわらず500万人分以上はあるという。

ウィルコム、旧DDIポケットは、携帯電話サービスであるauを提供するKDDIの傘下にいた。その中で、携帯の補助的役割を強いられていたわけであるが、その長い長い雌伏の時にも、地道にも全国的な実質的エリアの充実とインフラの整備、そして、技術開発・向上を地味に地道に行ってきたのである。そして、その地道な成果が、この一年でまさに花開いたといってもいい。ここに、「まじめに努力し、報われる」というような日本人的美学を感じずにはいられない。

エリア展開に関しては、自身にプレッシャーをかけるためか、ユーザーの利便性のためかはわからないが、全国に点在するアンテナの位置を知ることが出来るサイトまで用意している(→ウィルコムエリア確認ツール)くらいである。

それでも、結果として、携帯が圧倒的に普及したわけだが、では、エリアがほぼ同等になってきている現状では、両者の違いはなんなのであろうか。

まず、もちろんのことだが、上にあげた高度な通話品質と低電磁波というPHSの利点は失われていない。

そして、決定的なことは、一つのアンテナで作り出せる通話可能エリアが狭いにもかかわらず、携帯のような広域のアンテナとほぼ同じエリアを作っていると言うことは、それだけ、一つのアンテナにかかる負荷が少ないということである。すなわち、全体としての処理を分散化することができるため、多数の人が同時に通信をしたとしてもウィルコムのインフラは、携帯電話のインフラよりも頑丈であるということである。

また、細かくエリア展開をしているということは、細かい調整や、細かいエリアの穴ふさぎも容易であるということである。

さらに、一つの地点に複数のアンテナのエリアが重なる場合も多くなる。その場合、その複数のアンテナを束ねて使う(2x~8x)ことで、通信の速度を上げることが出来る。

これらの利点を生かし、トラフィックが増大することが予想されても、ウィルコム同士の通話を定額にするということが可能になり、また、通信速度を上げることができたのである。

インフラ的にPHSほどの収容数をもたない携帯電話では、ドコモのようなプッシュトーク形式か、限定をともなうボーダフォンのLOVE定額のような形での「定額」となる。

ただ、ウィルコムの一番評価すべき点は、ユーザーとの距離感、ユーザーへの意識である。

上述の定額プランをなぜ始めたかと言えば、低額の定額で話し放題というサービスが、なによりユーザーニーズがあったからである。

特に、ウィルコムの最近の記者向けプレゼンでのユーザーへの意識には特筆すべきものがある。

ドコモなどは、ユーザーニーズが高いか否かよりも、囲い込めるか否か、という観点にある程度の比重を置いてサービスを展開しているように見える。絵文字がわざわざ外部に送れないようになっていることが、なによりの証左であろう。

だが、ウィルコムのプレゼンないし戦略は、まずユーザーからのアンケートへの解答という形で行われているように思える。まるで、スーパーマーケットでのお客の要望と店からの解答みたいなプレゼンである。

今回のパケット通信ベーススピードのアップも、料金据え置きで増速してほしいとのアンケートへの解答である。

また、これから展開する高度化PHSも、さらなるエリア展開と増速というユーザーニーズへの解答なのである。

ウィルコム定額プランと他キャリアのプランを比較したページがあるが、これをみても明らかなように、他キャリアよりも明らかにウィルコムのサービスの方がコストパフォーマンスが高い。

そして、これからも、ユーザーへの意識を変えずにいってくれるならば、確実に生き残っていくのではないかと私は思う。

これからも、ウィルコムはウィルコムでいてほしいものだ。

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